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尾形亀之助詩集〈現代詩文庫 1005〉
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一人 一人がまつたく造花のようで
手は柔らかく ふくらんでゐて
しなやかなに夜気が蒸れる
煙草と
あついお茶と
これはーー
カステーラのように
明るい夜だ
「明るい夜」
明るいけれども 暮れ方のやうなもののただよつてゐる一本のたての路ーー
柳などが細々とうなだれて 遠くの空は蒼ざめたがらすのやうにさびしく
白い犬が一匹立ちすくんでゐる
おゝ これは砂糖のかたまりがぬるま湯の中でとけるやうに涙ぐましい
×
私は 雲の多い月夜の空をあはれなさけび声をあげて通る犬の群れの影を見たことがある
「犬の影が私の心に写つてゐる」
君は何か用が出来て来なかつたのか
俺は一日待つてゐた
そして
夕方になつたが
それでも 暗くなつても来るかも知れないと思つて待つてゐた
待つてゐても
とうとう君は来なかつた
君と一緒に話しながら食はふと思つた葡萄や梨は
妻と二人で君のことを話しながら食べてしまつた
「一日」
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状態:B
5刷、裸本、帯付き、背にシミあり
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サイズ:190×125mm
装幀:田辺輝男
発行:2000年、思潮社
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