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水中の哲学者たち / 永井玲衣

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 世界に根ざしながら、世界を見ることはいかにして可能だろうか、とよく考える。「見る」ことは、世界を額縁に入れてうんと高い場所に飾ってしまうことでもあり、自分を世界から切り離し傍観することでもある。だがわたしたちは、世界に投げ入れられ、関係し、はたらきかけ、世界を新しくつくりつづけてもいる。
 この問いに対する一つの探究が、人々との対話なのかもしれない。様々な場所に出かけていき、問いを立て、人々とその不思議さにおののきながら、考える。世界にはたくさんの他者がいて、ときどきわたしをおびやかす。わたしを危険にさらし、わたしもまた誰かを危険にさらす。 
 だが、世界を共に見ることもできる。わたしたちにべったりとはりついてしまっている何か、小さな、だが確かにこびりついている何か。それがため息となり、つぶやきとなり、問いとなり、わたしたちをつなぐ。問いは世界の入り口となり、わたしたちはもっと世界と関係する。(「まえがき」より)



◯ 永井玲衣(ながいれい、1991年 - )
哲学研究と並行して、学校・企業・寺社・美術館・自治体などで哲学対話を幅広く行っている。哲学エッセイの連載なども手がける。詩と植物園と念入りな散歩が好き。



状態:A
9刷、帯付き、カバー裏表紙にごく僅かなヨゴレあり



サイズ:187×130mm
装幀:鈴木千佳子
発行:2022年、晶文社



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